移住と後悔

夢の移住を果たした結果、後悔する羽目に…?

移住を考える人の多くは、夢や希望を持って心機一転、単身、或いは家族を連れて住み慣れない土地に移住することでしょう。

移住者に対して、手厚い移住支援を施してくれる地方自治体も多く、格安で住宅を用意して移住者を歓迎してくれる市町村もたくさんあります。

「我が地域で起業する人に対して、企業資金200万円支給」

「新規で農業を始めたい人には300万円支給」

など、新しいことを始めようとする人を応援してくれる自治体も多く、住まいも仕事も心配なく移住できるように移住者をバックアップしてくれます。

ですから、やりたい事があるけれど、資金不足で都会では実現できない人などには夢を叶える良いチャンスであったり、人間関係や都会に住むことに疲れてしまった人たちが新しい生活を始めるのにも、良い環境を準備してくれています。

しかし、メリットだけに注目してしまって、しっかりと移住後のプランを考えていないと、その移住計画は失敗に終わってしまうでしょう。

移住をして初めて、不自由さを感じたり、調達した資金をやりくりするのが難しくなってしまったり、移住を後悔することもあるのです。

支援を受けながらの移住をしたとしても、移住するに際して自腹を切って移住する部分の方が明らかに多く、移り住んだことに後悔したとしても、簡単に元通りの住まいに戻る事はできません。

後悔のない充実した移住を実現するためにはまず、多面的に移住の良し悪しを考えてみることが大切と言えるでしょう。

予想外に出費がかさんで後悔

移住者を歓迎する地域では、移住者に対する資金援助があるところが多く、移住はとても魅力的に感じられます。

例えば、移住者がアパートを借りるときなどに、家賃の一部を免除されたり、住宅購入資金を数百万円支給してくれたり、移住者の新規事業を立ち上げる場合には、その資金を助成してくれる自治体も多くあります。

しかし、そうした自治体は大体が田舎であり、どうしても車での移動を余儀なくされます。

すると車を購入することは絶対に必要となります。

車を購入するとなると、数百万円の出費になりますし、月々のガソリン代や車の保険など、維持費もけっこうかかってしまうのです。

田舎ではどこに行くにも遠いのに、バスや電車などの公共機関での移動が充実していない分、自家用車での移動が主になるので、住宅は安く手に入れられても、交通費にお金がかかってしまうという落とし穴があります。

また、地方は都会に比べてお金がかからずに住んでいけると考えている人も多いようですが、確かに家賃も安く済む反面、地方は都会に比べて最低賃金が低いので、支出には大きく変わらないことが多いのです。

都会で大きな会社に勤めていた人なら、逆に地方に住むことで収入が減ってしまうこともあるでしょう。

子供を連れて移住して後悔

自然豊かな土地でのびとびと子供を育てたいと家族総出で移住を決意する人たちもたくさんいます。

海や山がそばにある環境で子供らしい幼少期を満喫させてあげることは十分に可能でしょう。

そんな中で育った子供は、感性が豊かで情緒が安定した子供に育っていきます。

しかし、地方に移住して子育てをする上で一番問題なのが、子供の進学の問題です。

地方には学習塾が少なく、場合によっては近くの学習塾に通うまで車で1時間かかってしまうところもあるでしょう。

都会のように、自分に合った指導法をしてくれる塾を探すというのは非常に困難です。

学力が高い進学校に進もうと思うと、どうしてもその地域の都市部に出るしかなくなってしまいます。

そうなると、高校進学を機に親元を離れて子供を下宿させるか、アパートで1人相撲させるか、或いは親が送り迎えをしたり、高い通学費を払っててバスや電車で通学させなくてはならず、経済的にも、肉体的にも負担になってしまうのです。

もちろん、そういった地域に大学があることは少なく、大学があったとしても子供が目指している将来片付ける学科があるとも限りません。

子供に習い事をさせたい教育熱心な人は、やらせたい習い事を見つけられないなどの苦労もあるようです。

やはり田舎暮らしでは子供の教育面に大きな不安があるのも事実です。

不便な移住生活に後悔

都会の時間の流れは忙しなく、せかせかしていて落ち着かないと感じる人も多いことでしょう。

そのかわり、都会には多くの人が不自由しないように何でも揃っています。

少し歩けばコンビニがあるし、病院や歯科医院などもたくさんあり、日曜日でも夜間でも体調が悪いときには見てもらうこともできます。

しかし、地方の田舎暮らしをしていてはそうもいきません。

都会のように、コンビニがひしめき合っているわけでもありませんので、少し喉が渇いたからといって、家をサッと出て飲み物を買いに行けないのです。

また、移住生活に後悔している人が感じている不便としては、近くに医療機関がないという問題です。

都会ならば、歯科医院がたくさんあり、日曜日に診療している歯科医院があったり、小児専門の歯科や、矯正治療が受けられる歯科など、自分で病院を選ぶことが出来ますが、田舎にはポツリポツリと医療機関があるだけです。

内科も然り。

急に体調が悪くなったときに詳しく診てもらえる病院までは、車やバスを使って行かなくてはならず、まして手術が必要な病を患ってしまったら、自宅から遠く離れた病院に入院しなくてはいけなくなってしまいます。

ですから持病がある人や、体調に不安がある人にとっては大きな負担となってしまうのです。

これらの課題を解決しようと、移住を促進している地域では様々な解決策を打ち出しています。

例えば、高齢になるほど、病院の利用率が上がるため、高齢者が病院に通うためのバスを無料にしたり、月に数百円を徴収する以外には料金が発生しなかったり、不便さを子育て支援や住宅支援でなんとかカバーしようとしているのです。

移住で後悔しないために

移住を考えている人のほとんどが、何度かその土地を訪れて下見をしていると思います。

街の風景が気に入ってそこにずっと住みたいと思うかもしれません。

地元の人の温かさに触れて、この街でなら楽しく暮らしていけると思うかもしれません。

しかし、後悔しない移住生活を送るためには、入念な下調べをすることが大切です。

自治体が開催している、移住体験ツアーや、移住説明会に参加するのはもちろんのこと、移住先ではどんなデメリットがあるのかを把握しておきましょう。

移住することのデメリットが、許容できるかということも移住生活を充実させるポイントとなります。

移住するにあたって、自治体からの支援が手厚く、気候や交通の便の実情に納得して移住を決めた人が、移住してしまった後で近所付き合いで悩んだり、自治会の集まりや集金が多く困っているなんて話もあるのです。

出来れば、その家に住む人の話や、その土地に移住してきた人の話を直接聞いてみるのが良いでしょう。

インターネットから、移住を経験した人の情報を集めるのも良いでしょう。

その他、移住をしたら自分は何をやりたいのかを明確にすることが大切です。

「自分のお店を持ちたい」

「田舎ののどかな環境で子供たちをのびのび育てたい」

「第二の人生は農業をして暮らしたい」

など、自分の夢や目標があっての移住であれば、多少の苦労があったとしても、必ず充実したものとなるでしょう。